子育てドランカーの日記

しょうもないことをテキトーに書いていきます。

愛妻弁当泥棒

今週のお題「お弁当」


これは僕が学生時代
アルバイトしてた時の話なんですけど


社員の先輩が
いつも愛妻弁当を持ってきてたんですね


もー見るからに愛情たっぷりの
どうぞ冷やかして下さいって弁当で


やっぱ愛妻弁当って男の憧れと言うか
学生時代の僕には羨ましくて
先輩美味しそうっすねって言ったら


あ、ホントに?
お前食う?って言われて…


いやいや
いいですよって遠慮してると


いいよいいよ
俺いつも少し食べて捨ててるからさ


えっ!?…なんで捨てるんですか?


先輩が言うには
先輩は仕事中に食事を取らないタイプで
だから弁当はいらないって言ってるのに
嫁さんが毎日作って困ってると
だからお前が食べてくれて
味の感想を教えてくれたら非常に助かると


まぁちょっと躊躇したんですが
どうせ捨てるんなら…
当時自分は学生の一人暮らしで
ロクなものを食べてなかったので
愛妻弁当がご馳走に見えて
有り難く頂いたんですね


そしたら最高に美味しくて
先輩に美味いっす!って言ったら喜んで
それから先輩の弁当食べ係に任命されたんですね


それからバイトの日はいつも
先輩の愛妻弁当を食べて


これが毎日手の込んだ弁当で
いつもコンビニ弁当食べてた僕には
手作りの温かさが
ホントに美味しかったんです


でも愛妻弁当係になって
2週間も経たないくらいですかね


もう…罪悪感がハンパなくなってきて


弁当が美味しければ美味しいほど
愛情がこもればこもるほど


美味しいけど悲しい
複雑な気持ちになってきて


まさか先輩の奥さんは
自分が愛情込めて作った弁当を
バイト先の鼻タレ後輩が
食べてるとは夢にも思ってないだろうなと


自分が朝早く起きて
旦那さんの事思って作った弁当を
バイト先のしょんべん大学生が
完食してるとは夢にも思ってないだろうなと


これは立派な罪だなと


愛妻弁当偽造完食ほう助かなんかで
捕まるんじゃないかと


罪悪感に耐えられなくなった僕は
先輩に適当に嘘ついて
弁当係を辞めさせてもらいました


先輩にもう一度
奥さんにいらないって言えないんですかって聞くと
いや何回も言ったよ
けど作りたいんだよ
作ってる方が幸せなの


愛って難しい
そう思った大学生の春でした